加齢とパーキンソン病
実は年を取ると誰でもパーキンソン病になる可能性があります。多くの研究から10歳年を取るごとに平均10%程度のドーパミンニューロンが死んでいくことがわかっています。大体正常の20%位にドーパミンニューロンが減ってしまうと症状が出ると言われていますから、20歳のときを単純に100%とすると100歳で私たちの殆どがパーキンソン病になる計算になります。実際、私たちが持つ「年寄りらしさ」のイメージを極端にするとパーキンソン病患者さんそっくりになります。万事がスローモーで、物覚えが悪くなり、ちょっと前かがみになって歩き、転びやすく、震えが来たりするのはドーパミンが減少していることと無関係ではありません。そういう意味でパーキンソン病は一部の不幸な人の病気ではありません。私たちが元気で活動的な老後を送るためにもパーキンソン病の原因を突き止めることは重要なことなのです。