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IEEE802.22の通信距離は約30km!
実のところ、FCCはある特定の規格を指して「スーパーWi-Fi」と言っているわけではないが、現在その最有力候補にあるのは先に挙げた802.11afだ。ただ、ここではもう1つの802.22から紹介していくことにしよう。初のTVホワイトスペース向け無線ブロードバンド規格という栄誉にあずかるのはおそらく802.22になる。
802.22は、RAN(Regional Area Network)向けの無線規格だ。佐々木教授によれば通信距離は約30kmと、WiMAXよりもはるかにカバレッジが広い。主たる利用用途として想定されているのは、光ファイバーの敷設が難しいルーラルエリアなどでのブロードバンドの提供だ。日本でもイグナイト・ジャパン、モバイルコア、多摩大学情報社会学研究所、ミャンマー総合研究所の4者で構成されたグループが802.22を利用したインターネットサービスをホワイトスペース特区の事業案として提案している
ルーラルエリア向けというと「地域WiMAX」が思い浮かぶが、地域WiMAXの2.5GHz帯とUHF帯では電波特性がかなり異なり、ずっと安価にインフラを整備できる可能性が高い。イグナイト・ジャパンの三井信雄代表も2月4日に開催された公開ヒアリングの場で、「電波の飛びが違う」ため、他の手段とは経済性の点で大きな差があることを強調した。
802.22の最大通信速度はテレビ1チャネル分の6MHz幅を利用した場合で22.7Mbpsだ。早期の標準化完了を優先したため今回は見送られたが、将来的には複数チャネルを束ねて高速化するチャネルボンディングのサポートも検討されており、例えば3チャネルを束ねれば、最大通信速度は約70Mbpsになる。
あうんの呼吸
二人以上で何かひとつのことをする時、微妙なタイミングも多くを語らずピタリと決まること、気持ちが一致している関係を「あうんの呼吸」と表現する。この「あうん」とはどういう意味なのだろうか。
あうんは「阿吽」と書く。インド古語のサンスクリット語の「a」と「hum」の音に漢字を当てたもので、口を開いて出す音(開声)と閉じて出す音(合声)の組み合わせにより、呼気と吸気という意味も持つ。また日本語の五十音表に似たサンスクリット語の悉曇では、それぞれ最初の音と最後の音である。
神社の狛犬・獅子や寺の仁王像のコンビは、一方は口を開けた阿(像)で、もう一方は口を閉じた吽(像)となっている。これは阿と吽で万物の始まりから終わりまでを象徴したもの。つまり「あうんの呼吸」と言えば、最初から最後まで全てにおいて呼吸の合う、心の通じ合った関係というわけである。